お店の売上を考えた時に、お酒が占める割合は少なくありません。それは居酒屋だけでなく、カフェであろうと、イタリアンであろうと、中華であろうと、利益をしっかり生み出せる商品は大切です。そんなお酒類の仕入れは、酒類の卸売業者を通してすることが大半になるでしょう。飲食店を開業する前に、どういった流れで卸売業者との付き合いが始まるのかを知りましょう。そして良い業者を選ぶためのポイントを今回はご説明したいと思います。
酒類の卸売業者って?
酒類の卸売業者とは一体どういった役割を担っているのでしょうか?基本的にお酒の仕入れは、あなたがどれだけ気に入ったお酒があったとしても、メーカーから直接仕入れるということはできません。メーカー自体に配送機能が備わっていることは少なく、飲食店への届けるのは卸売業者の役目となっています。
また気に入った飲み物をそれぞれのメーカーと契約して仕入れしていたのでは、取引先が多くなりすぎて、業務量が増えすぎてしまいます。そういったことが複雑にならないよう多くのメーカーの商品を一度に取り扱っている卸売業者が間にあれば、卸売業者とだけ取引をするだけで様々なメーカーの商品をお店は取り扱うことができるようになるというわけです。
全体の流れ
こういった役割を担ってくれる卸売業者。取引を始めるまでにはどういった流れがあるのでしょうか。基本的な流れは、ファーストコンタクト → 見積もり → 条件確認 → 契約となります。
ファーストコンタクト
ファーストコンタクトは卸売業者のセールスマンがお店を訪れるパターン、知り合いのお店から紹介してもらうパターン、インターネットで調べてこちらから連絡するパターンの3種類があります。
セールスマンがやってくる。
卸売業者のセールスマンは日々、オープン準備しているお店を探しています。ですので、多くの場合は内外装工事をしている段階で飛び込み営業に来ます。そこで、パンフレットや名刺をいただき次回提案をいただくためのアポイントをとるといったことが多いようです。
知り合いのお店に紹介してもらう。
もしあなたに、仲良くしているお店があるなら仕入れ先を紹介してもらうのもいいでしょう。実際の品揃えや使い勝手を知ることができます。業者側も紹介であれば、紹介者の顔がある以上とても親身になって話を聞いてくれるでしょう。
インターネットで調べる。
最後はインターネットで自分で調べる方法です。おそらく先に紹介した方法で少なくとも1社とは繋がりができると思います。が、その業者が自分の仕入れたい商品を持っていない場合は、自分で探しさなくてはなりません。
見積もり提案〜条件確認
ファーストコンタクトが終わると、次は見積もり提案です。事前に取り扱いたいメーカーや商品を担当セールスマンに伝えておくことにより、見積もりを出してもらいます。この段階では複数の業者で並行して話を進めるといいでしょう。一社からの見積もりだけではなく複数の見積もりをとることによって、適正な仕入れ価格を知ることができます。
また価格だけではなく、配送スケジュールなども確認しておく必要があります。翌日の配送をお願いする場合は、発注をいつまでにすれば良いのかを確認します。また営業日も大切です。年中無休の業者もあれば、祝日は休業するところもあります。年末年始やGW、お盆などの大型連休の営業状況も確認しておきましょう。
契約
取り扱う商品、価格、配送スケジュールが希望通りであれば、契約に至ります。支払いに関して、飲食店の多くは掛売りを採用していると思います。掛売りとは当月の仕入れを翌月以降に払う支払いサイクルです。この部分は取引する業者によって変わりますが、一例をあげるなら「月末締めの翌20日払い」といったような感じです。つまり1日〜月末までの仕入れた分が計算されて翌月に請求書として届きます。それを20日に振り込むまたは、または料金が引き落とされるといった流れです。支払いサイクルは信用に関わりますので、きちんと確認するようにしましょう。
業者選びのポイント
卸売業者選定のポイントですが、まず前提としては配送スケジュールと取扱い商品が自分のお店とマッチしているかが大切です。もちろん価格が適切かも大切です。しかし、ここまでで卸売業者を比べても特別に仕入れたい商品がここにしかないといったようなことがない限り、どこも横並びになりがちですよね。
次の段階として、その業者ならではの特徴を見ます。業者によっては酒類だけではなく食品の取扱いやおしぼりやお箸といった備品関係まで取り扱っているところもあります。また、社内にテストキッチンを持っているところでは、契約しているお店に無料で貸し出したり、独自のイベントを開催している業者もあります。このように独自のサービスについてをセールスマンに聞いてみると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?酒類の卸売業者は大小いろいろあります。大規模ほど品揃えが良く配送のスケジュールの融通が利きます。逆に小規模の業者は人の距離が近い分、親身になって相談に乗ってくれますので、細やかなサービスが期待できます。開業前から末長い付き合いになる酒類の取引業者ですので、セールスマンとの相性もとても大事ですね。ご参考になれば幸いです。