チャージやお通し(または突き出し)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?飲食店の中でも、居酒屋やイタリアン・フレンチ、バーやレストランといった料理とお酒を楽しむ業態に多く取り入れられている慣習です。今回の記事では
- チャージとお通しの違い
- 取り入れるべきか否か
- 取り入れる場合の気をつけるべきポイント
を重点的に解説していきたいと思います。
チャージとお通しの違いって?
まずはチャージとお通しの違いですが、チャージはテーブルチャージとも言われ、いわゆる席料のことを指します。基本的には入店するお客様全員に発生する料金システムです。バーの看板に「CHARGE ¥500」や「NO CHARGE」と書かれているのを見たことはないでしょうか?チャージを取る取らないに、決まりはなくお店の方針によって変わってきます。
かたやお通しとは、突き出しとも言われ、居酒屋などで最初に席に着いた際に出てくる料理のことです。その料理のクオリティは簡単な枝豆といったおつまみからこだわった料理まで、各店工夫を凝らしています。こちらもお通しの有る無しに決まりはなく、お店の方針によって変わってきます。ここに1つのアンケートがあります。
「飲食店経営者に対し、お通しやサービス料についての調査を実施。お通しを提供する店、提供しない店、それぞれの意見。」https://www.sankei.com/economy/news/180314/prl1803140003-n1.html
THE SANKEI NEWSより
このアンケートを見ると実に7割以上の店舗がお通しなどが発生する業態と答えています。
チャージとお通しの役割
それほど多くの店舗が取り入れているチャージ/お通しにはどういった役割があるのでしょうか?
チャージの役割
チャージは席料ですので、お通しのように必ずしも料理が出てくるとは限りません。店舗によっては簡単なお酒のおつまみなどが出てくる場合もありますが。そのチャージの役割とは、サービスの高品質化にあると考えています。(役割については店舗によってそれぞれ見解がありますので、一つの意見として考えていただければ幸いです)
このチャージには、利用者側からも実に多くの意見があり「席料としてかかるのであれば、それを含んだ料金設定にすべき」「チャージを取る店には行かない」といった厳しい意見もあります。
実はこれこそがチャージの目的なのではないかと思います。つまりそこにはチャージを支払ってでも入店したいと思わせるほどのサービスが店舗になければ成立しないということです。またチャージ料が一種のフィルターになり、お客様の選別機能を果たしているとも考えれます。選別機能と書くと聞こえは悪いかもしれませんが、決して悪い意味ではなくお店の戦略として考えていただければと思います。
お通しの役割
お通しについても、チャージのように利用者からは「頼んでいない」「割高に感じる」など様々な意見があります。しかし、お通しにもきちんと役割があります。来店されてから一品目を提供するまでの繋ぎだったり、まずはお店の名刺替わりに小さな料理を楽しんでもらうといったものです。本当に美味しいお店は、お通しにまでこだわっていることをお客様は知っているのです。お通しでお客様を納得させることができれば、その後の料理の期待も膨らみ最後は来店した喜びへと繋がっていきます。
さぁ、あなたのお店はどうする?
チャージ/お通し共に提供しなければいけない義務はありません。あくまでお店の任意です。ですので、役割を知った上で最後はオーナーであるあなたが決めれば良いでしょう。チャージの導入は高品質なサービスを求められることでしょう。しかし、それをクリアすればお客様はあなたのお店のファンになってくれるはずです。お通しも同様です。しっかりこだわった内容のお通しはむしろ歓迎され、来店するきっかけにも成り得ます。ただし、非常に高いレベルの調理技術が必要です。
さぁ、あなたはどうしますか?
気をつけるべきポイント
取り入れる時の気をつけるべきポイントとしては、上記のようなメリット・デメリットがあるだけにお客様の入店に対するハードルが上がるということです。しっかりとサービスや料理のことを考えずに、目先の売上UPだけを考えて導入すれば、それは返って逆効果になってしまいます。「ろくなサービスじゃないのにチャージが高い」や、「お通しが出来合いで美味しくない」といったマイナスの評判になってしまうと大きな損失に成りかねないので注意しましょう。
まとめると・・・
最後はあなたのお店のコンセプト次第となります。どちらの仕組みも本当に上質なサービスを提供しているお店は取り入れています。それがお客様により高い満足度を与えています。だからといって必ずしも入れなければいけない訳ではありませんし、カジュアルだから取り入れてはいけないという話でもないのです。どちらとも言えない結論となってしまいますが、ただ1つ言えることはお客様の立場、視点から見たときにあなたのお店はどう見えるかという視点は忘れずに、提供するサービスを考えていっていただければと思います。