厨房内の給気と換気の重要性

厨房
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快適なお店作りをする上で忘れてはならないのは給排気です。厨房内の空気を循環させるとこは、作業環境のみならず、客席の快適性にも繋がります。ここでは、給排気の重要性や目的、効果的に給排気を行うための注意点について説明します。

厨房内の給排気の役割

給気の目的は「厨房内に新鮮な空気を供給すること」、排気の目的は「厨房内の空気を外に排出すこと」にあります。当たり前のことですね。しかし給排気が上手くいかないと、厨房内の温度上昇、匂いの充満→店内への臭いの過剰流出、作業効率の低下などに繋がります。結果として、お客様の満足度を低下させてしまいます。
給排気は、お客様にとっても、働くスタッフにとっても快適空間を作る重要な役割を果たしているのです

給排気の仕組み

給排気は「供給」と「排出」のバランスで成り立っています。給排気に関しては建築段階で設計されます。スケルトン物件、居抜物件いずれの場合も、すでに建物に組み込まれているので、変更や追加が難しい現実はあります。しかし、給排気がどこに設置されているのかを知ることは、厨房設備のレイアウトや動線を考える上です大切なことになります。

給気はどのように行われるのか

給気は空調システムとして行われる場合と自然給気として行われる場合の2種類があります。空調システムは、外気を温度調整して室内に入れる仕組みです。給気口は天井に設置されている事が多です。自然給気は外気をそのまま取り込みます。壁付けされた給気口が代表例です。他にも窓やドアの開閉でも自然に給気されています。給気口がどの場所に設置されているのか、空気の流はどうなっているのか、物件選びの段階で確認することをお勧めします。

排気はどのように行われるのか

排気は排気ダクトや排気設備、換気により行われます。排気ダクトとは空調や排気、排煙などのために空気がとおる導管のことを言います。給気により供給された冷たい空気が厨房内の足もとに流れ込み、暖かい空気は上に押し上げられ排気ダクトを通じ外に排出される仕組みです。厨房内でメインになる排気ダクトは、コンロ上部に設置されたレンジフードからの排気です。調理に伴う熱や煙、匂いはフードで集められ、効率的に廃棄される仕組みになっています。

フードからの排気の仕組み

調理で出る油を含んだ湯気や煙は、まずフードに集結します。フード奥にはグリスフィルターという油脂をキャッチするフィルターが設置されています。その先の防火シャッターや排気ファン、ファンベルトを空気が通過して外に排出される仕組みになっています。

排気を効率的に行うために

排気が十分に行えないと、湯気や煙が蔓延して厨房内温度が上昇し、作業効率が低下します。湯気と共に油が厨房内に広がると、床が滑りやすくなったり、厨房内の汚染に繋がり危険な場面も出てきます。煙や匂いが客席に流れると、お客様の不快感にも繋がります。
では、効率的に十分な排気を行うためには何をすればよいのでしょうか?ズバリ!!掃除です!!!これは、すべての業種・業態に共通することです。そして、簡単かつとても重要なことです。効率的に排気ができるように空気の流れを作ったりしても、排気ダクトから排出されなければ意味がありませんからね。

排気ダクトの清掃

排気ダクトの清掃は、排気の効率化を図るためだけではありません。フード内~ダクト内に油やほこりが付着した状態を放置すると、調理の際に上がった炎に引火し、ダクト内火災を起こす原因にも繋がります。中華料理や焼き鳥店など、油を多く含む食材を取り扱う業種は特に注意が必要です。
フード周辺は、毎日サッと拭く程度の手入れはできそうですね。フードに限らず、手の届く範囲の清掃は毎日しておくことをお勧めします。サッと掃除をするためには、整理整頓をしておくことも大切ですね。
グリスフィルターの清掃や交換は定期的に行いましょう。「定期的」は業種ごとに異なります。和食のお店も煮物惣菜が中心なのか、てんぷらのお店なのかで変わってきます。どのくらいで清掃や交換が必要なのか、把握しておくことが重要です。グリスフィルターから先の清掃は簡単には行えませんので、まずはそこまででしっかりと油をキャッチできるようにしておきましょう。

まとめ

厨房内における給排気の重要性は理解していただけましたか?熱、煙、匂いを外に出してくれる重要な役割を担っています。そして、排気効率を上げるためには、給気と効率的な排気が重要です。設計上の吸排気のバランスについては専門家に相談することになります。せっかくバランスよく設計されたものでも、メンテナンス不良では十分生かすことができません。快適で安全な厨房環境を作るためにも、給排気は重要な役割を担っています。

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