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均一価格メニューからみる飲食店の料金設定 | ビズイーツ.JP 飲食開業経営辞典

均一価格メニューからみる飲食店の料金設定

経営&運営
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「鳥貴族」に代表される価格均一のお店。あんなに安くて商売としてやっていけるんだろうか?と疑問に思ったことありませんか?利用する側なら、安くて楽しめて嬉しい限りですが、自分がお店を出す側となると勇気のいる決断になりそうですよね。今回の記事は、価格均一店舗の裏側とそれを個人規模の小さなお店で実現することは可能なのかというところを論点に書いております。

均一メニューの裏側

この章では具体的にイメージしやすいように「全品280円の焼き鳥屋」を例に考えたいと思います。この店のメニューはフード、ドリンク共に280円均一で提供しています。焼き鳥が中心とはいえ米類、麺類などサイドメニューも豊富にあります。ドリンクもビールからハイボールやチューハイと品揃えが豊富です。どのような工夫の上にこの均一価格での運営が成り立っているのでしょうか。

原価率から考える

飲食店の理想とされる料理の原価率は約30%と言われています。売値が280円で固定されている場合、1つのメニューに使うことができるお金は、約85円です。つまり仕入れが85円以内で済むメニューばかり集めれば、理論上成立することになります。焼き鳥などは比較的原価が安く済む部類のメニューではありますが、食材にこだわれば85円はすぐオーバーしてしまう金額でしょう。

そこで大事になるのが、メニューのトータルバランスです。原価が30%を超えてしまうから、食材にこだわることができないとなると、メニューのラインナップとその質はとても寂しいものになるでしょう。お店のウリとなる商品が作り出せず苦労する経営になることがわかります。ですので、これだけは来店した人みんなに食べて欲しいメニュー、つまりお店の看板メニューに関しては、原価が少しかかろうと同価格で提供することが大切なのです。その分、他のメニューで原価率が低い商品を用意することで、全体の原価率のバランスがとれればいいのです。自信があるメニューをしっかり売ることが大切なのは、価格均一のお店であっても、通常のお店と共通して大事な部分ですね。

ポーションから考える

原価率を調整する方法として、食材の質を選ぶ方法と一緒に、ポーション(量)を調整する方法があります。280円均一のお店は、1品の商品としてはとても安いです。それはお客様も知った上で入店しているので、料理に対する期待値があまり大きくありません。ですので、1品あたりの料理が少なくても問題になりません。2つ頼んでも560円で済みますし、むしろ小さいポーションの料理が多ければ、色々なメニューを注文できるというメリットにもなります。もちろん無理して少なくする必要はなく、しっかりした量を提供できるのであれば、この価格でこれだけ楽しめるという良いギャップを与えることができるでしょう。

ドリンクも均一価格

ドリンクは料理と違って質に差をつけることが困難です。カクテルのリキュールの部分を薄くして原価を下げようものなら、すぐに見抜かれ信用を落とします。安かろう悪かろうの時代は終わっていますので安かろう良かろうをどれだけ工夫で生み出すことができるかが大切です。ですので、ドリンクとしてはグラスの大きさなどで原価を量で調整し、お客様の満足度を下げることなく他店と変わらないクオリティを提供しなければなりません。

小さなお店での実現性

均一価格のメニューとしても、原価率を調整することで十分成立することが理論上お分りいただけたかと思います。理論上とあえて申し上げたのは、結局のところ現実問題それで成り立つのかを考えなければいけないからです。

均一価格のお店は格安のお店がほとんどです。料理やドリンクの価格が低いと、あとはどれだけ売ることができるか数で勝負しなくてはなりません。価格は全て一緒ですので、1組あたりの注文数をどれだけ稼げるか、どれだけ回転率をあげることができるかが大切です。この部分は食べ放題メニューの記事と共通する部分がありますが、数で勝負する場合スケールメリットが効果を発揮するのです。そしてスケールメリットは個人の経営規模では活かすことができない場合が多いのです。いくら回転数をあげて、注文数をあげても、少ない席数であればすぐに売上の限界を迎えてしまうことでしょう。事実、価格均一のお店は多店舗展開をしている企業が経営している場合が多数あります。

こういったことを考えると均一価格メニューで小さなお店を運営することは難しいでしょう。もちろんできない訳ではありませんし、フランチャイズのような後ろに巨大な組織があり、多くの食材を共通して利用できる状況であれば、実現性はかなり変わってくるでしょう。

まとめ

今回の記事では均一価格の飲食店経営について書きましたが、いかがでしたでしょうか?結論的には個人経営規模の飲食店では難しいと書きましたが、ビジネスモデルとしては非常に面白いと考えています。全品800円のスイーツ専門店(ドリンク付き)といった形態や、ピザメニューは全て1300円といった一部メニューに均一価格を取り入れる方法もあります。

あとは、均一価格とは少しずれますが、サブスクリプション(定額制)を取り入れた飲食店も最近では目にするようになってきましたの。価格設定という面からみる飲食店経営はまだまだ多くの可能性を秘めているなと考えております。サブスクリプションについても近々記事執筆予定ですので、お楽しみに。

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