飲食店開業!衛生管理は大丈夫??

その他
この記事は約4分で読めます。

衛生管理の重要性

これから飲食店を開業し、食材を取り扱い、食べ物をお客様に提供する以上「衛生管理」は徹底して気をつけなければいけません。開業するのに必要な「食品衛生責任者」や、保健所の厳しいチェックをパスしなければいけないのもその為です。それでも食中毒の約6割は飲食店から出ていると言われています。「衛生管理」と一言に言っても、食材の管理から従業員の身だしなみ、お店の清掃まで確認すべき項目は多岐に渡ります。今回の記事では、その中でも一番気をつけるべき食材の衛生管理を中心に、まとめております。

食材の管理

お店が料理を提供する以上、お客様の健康に最大限配慮する必要が生じます。料理が健康に害を及ぼす原因を知り、対策を取らなければいけません。その原因とは「化学物質の取扱」「異物混入」そして「微生物の繁殖」などが考えられます。

化学物質の取り扱い

化学物質の取扱と書くと仰々しく見えますが、身近なところだと、アレルギー物質などはこれに該当します。現代には多くのアレルギーが存在しますので、使っている素材をメニュー表に記載するなどお客様への配慮があると良いですね。あとは、フグ毒などもこちらに該当しますが、取り扱いには資格を必要な為ここでは詳細は割愛いたします。

異物混入

例えば髪の毛です。健康に直ちに影響はないかもしれませんが、お客様にとって気持ちいいものではありません。お店の信頼に関わります。またグラスなどの破損時の欠片の混入の恐れも考えられます。こちらの場合は口を切ったり、体の内部を傷つけたり非常に危険ですので、絶対に起きないようにしなければいけません。異物混入は比較的目で見える範囲のものが多いので、混入を防ぐ環境や管理を行えば、未然に防ぐことができます。調理スタッフの帽子着用や身だしなみ確認、洗い物スペースや食器保管場所と調理スペースを離すなど具体的な処置を考え、厨房施設のデザイン時から考えておきましょう。

微生物の繁殖

微生物の繁殖とは、冒頭でも書きましたが食中毒などを引き起こすきっかけになる非常に気をつけなければいけないポイントです。微生物は種類が多く、種類によって熱に強いもの寒さに強いものが存在し、全てを把握するには多くの知識を必要とします。厚生労働省の“食品衛生管理の手引き”によると微生物が繁殖しやすい温度環境は10~60℃と言われています。この危険温度帯で食材を放置するとどんどん増殖してしまうのです。ですので、この温度帯の時間をいかに少なくするかが重要なポイントです。

また微生物を繁殖させないための工夫として、全てのメニューを3分類に分ける方法が記されています。1つは全く加熱を必要としないメニュー。例えばサラダなどはこれに該当します。2つ目は加熱後にすぐお客様に提供するメニュー。ステーキや焼き鳥などです。3つ目は加熱と冷却を繰り返すメニュー。例えばパスタソースや、タレ、スープなどがこちらに該当します。全てのメニューはこの3つグループのどれかに分類されます。それぞれのグループに応じて、気をつけるべきポイントが変わりますので、そのグループに応じた対策を行います。例えば、1、2のグループは危険温度帯を通る回数は少ないので、正しく10℃以下で食材の保管がされているか気をつけなければいけません。3つ目のグループでは危険温度帯を何度も通るので、十分な加熱や急速な冷却が必要とされます。他にも注意すべきポイントはありますので、詳しくは厚生労働省の“食品衛生管理の手引き”をご覧ください。

【参考】厚生労働省:食品衛生管理の手引き

厨房機器の管理

食材や提供するメニューの管理ももちろんですが、それを調理するための厨房機器についても注意が必要です。冷蔵庫や冷凍庫に保管しているつもりでも、食材の置き方が悪く10℃以上の箇所が起きている可能性もあります。生肉を切った後のまな板が正しく洗浄されていないとそこで微生物が増殖し、他の食材へ移る可能性が出てきます。食器棚には正しく扉が設置されていないとネズミやゴキブリなどの害虫が侵入してしまいます。このように、食材そのものではなく間接的に関与する部分はお店の中に数多くあります。こういったことは食品衛生責任者の資格を取る際に学びますので、正しく理解しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?開業まもない時期は厨房機器やお店全体が新しく衛生環境は守られていますが、営業が始まると日々の仕事に追われ衛生管理がおろそかになることも少なくありません。こういった汚れなどの不衛生は日々の積み重ねによって起こります。開業当初から衛生に関するチェックシートを作って管理したり、マニュアルを作成し毎日掃除して清潔を保っておくこと、その小さな積み重ねがお店の大きな信頼を作り、お客様への安心に繋がるのです。

タイトルとURLをコピーしました