飲食店の食器選び~木製食器~

機器・什器・備品
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お店や料理を温かみのある雰囲気に演出してくれるのに、木製食器があります。木製食器は陶磁器やガラスのお皿とは取り扱いが異なります。取り扱い方を間違えると、すぐに使えなくなったり、カビが生えたりしてしまいます。せっかく購入した木製食器を、長く使用するために、日常のお手入れから保管方法、使用する上での注意点などまとめました。

木製食器の材質や塗装

一言で木製食器と言っても、使う木材によって特徴は異なります。水に強いのはケヤキ、表面に強度があるのはヤマザクラ、クルミは衝撃に強く、曲げわっぱに使われるスギは吸湿性が高く抗菌・防腐作用を持つと言われています。他にも、アカシアは木肌が美しく丈夫です。メープルはあたたかな色味と衝撃の強さが、シナは主張しすぎない優しいクリーム色が特徴です。

木製食器の塗装は、ウレタン塗装とオイルフィニッシュ仕上げの2種類があります。更にウレタン塗装には、表面を塗装したものと、木に染み込ませた塗装があります。前者は安価ですが、全体に光沢があり少しチープな印象になります。後者は、木の風合いを生かした仕上がりになります。いずれにしてもウレタンで塗装を施した木製食器は、食材からでた油分や水分が染み込みにくいので、日常使いにお勧めです。表面に油を塗って仕上げたオイルフィニッシュはシミが付きやすいのが難点だが、使うほどに味わいが出てきます。

価格、手入れのしやすさ、料理との相性を考えると、ウレタン塗装を施したアカシアやシナは取り扱いやすい木製食器と言えそうです。

木製食器のメリット・デメリット

木製食器のメリットは、なんといってもその温かみのある優しい風合いです。カフェをはじめカジュアルなお店では、コンセプトとの相性も良く使いやすい食器といえます。

デメリットは、料理の種類を選ぶことと、取り扱いに注意が必要であるという事です。陶器の食器はどんな料理にでも対応可能で、取り扱いに関しても特別な注意点がないことを考えると、少しハードルの高い食器ともいえそうです。

取り扱い上の注意点

油分の多いもの、熱いものは避ける

塗装のしてある木製食器にも表示してある注意点です。油分の多い食材に利用すると、食器がその油分を吸収してシミの原因になることがあるので注意が必要です

使用後はすぐに洗って乾燥させる

これは、木製食器を取り扱う大前提です。

食器用洗剤での洗浄は可能ですが、食洗器の使用は避けてください。食器の劣化の原因になります。木製食器は水分も吸収しやいため、使用後にしっかりと乾燥させておかないとカビの原因にもなります。かといって、日当たりの良い場所での乾燥は、ひび割れの原因にも繋がります。洗浄後は、布巾で水分をしっかりと拭きとって、乾燥するまでは重ならないように保管しておきましょう。

電子レンジ使用禁止

木に含まれる水分や、空洞が電子レンジの過熱によって膨張し、亀裂の原因になる場合があります。

冷蔵庫での保管は避ける

木製食器は温度変化や乾燥に弱いのが特徴です。冷蔵庫内の急激な温度変化、庫内の乾燥状態によりひび割れや塗装の剥がれの原因になりやすいため、冷蔵庫での保管は避けましょう。お料理を冷たくして提供したいなら、食器ごと冷やすのではなく、料理を冷やしてから木製食器に盛り付けて下さい。

保管場所に注意が必要

戸棚の中に重ねて片付けると、カビや劣化の原因に繋がることが多く見られます。

重ねる時は十分に乾燥した状態で重ねる、可能であれば風通しの良い場所に収納するなどの工夫が必要です。

日常のお手入れ

乾燥防止

乾燥防止にはオイルが最適です。使用後はすぐに洗浄し、水分をしっかりとふき取る。ウレタン塗装のあるものは基本オイルでの仕上げは必要ありませんが、表面が白く乾燥してきているようなら、オイルを塗っておきましょう。オイルフィニッシュの木製食器は、必ずオイルでの仕上げが必要です。使用するオイルは、オリーブオイルで十分です。こだわりたい場合は、アマニ油や荏胡麻油、クルミ油が良いとされています。

カビが生えたら

木製食器は漂白剤は使えません。カビや黒づみが気になる場合は♯300~400番くらいの紙やすりを使って削ぎ落とします。その上で、再度オイルを塗って乾燥させておけば利用できます。

まとめ

木製食器は陶器の食器にはない雰囲気を演出してくれます。長く使用するためには、日ごろのお手入れや、劣化やカビの発生がないかのチェックも重要ですね。木製食器をメインの食器と同じくらい使用するのか、ワンアイテムとして使用するのかはお店のコンセプトやメニューの内容により決まります。いずれにしても、演出には効果を発揮する食器であると言えでしょう。

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