飲食店において、一番清潔であるべき場所は厨房です。厨房が清潔で快適な作業空間になるよう設計段階から、考え抜いていることでしょう。しかし、店舗運営が始まると、日々の忙しさに追われ清潔や快適が維持できなくなっていくのが現状ではありませんか?今回は厨房のクレンリネスに着目しました。本来の清潔で快適な作業空間を維持していきましょう。
クレンリネスとは
「クレンリネス」という言葉を初めて聞いて「クリンネス」の間違いではないか?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。「クリンネス」と「クレンリネス」は全く違う意味の言葉です。
「クリンネス」は清掃をするという意味です。汚れたところを掃除する時の、「掃除」の意味です。
「クレンリネス」は、「衛生状態を保つ」とか「清潔で快適な環境を保つ」という意味です。単に汚れを取るだけの行為に止まらず、そこには環境の清潔さや快適性を保持し続けるという行為も含まれているのです。つまり、サービスの基本であると捉えると分かりやすいですね。
厨房内のクレンリネスの重要性
厨房内は生鮮食品をはじめ様々な食品を取り扱い、しかも調理による汚染が著しい場所です。お客様においしい料理を安心して食べて頂くためには、大切な事はたくさんあります。
・調理器具はいつも清潔に洗浄・保管されていますか
・包丁やまな板を拭く布巾の交換頻度はどれくらいですか
・コンロ周辺の汚染状態はどうでしょう
・レンジフードに油がたまっていませんか
・冷蔵庫の温度が下がっていませんか
・扉の取手は汚れていませんか
・常温保管の食品の保管状態はどうでしょう。開封状態で放置されていませんか
・厨房内に油を含んだ埃の溜まった場所はありませんか
・厨房内は整理整頓され、作業がしやすい環境になっていますか
・コックコートは汚れていませんか?
・爪は短くしていますか・・・・ほんの一部ですが、すぐにイメージできます。
厨房内のクレンリネスは、衛生環境の維持と作業空間の確保が重要です。
クレンリネスを実践しやすい厨房作り
厨房内の衛生環境を維持し作業空間を確保するためには、どんな事が必要でしょうか。
厨房内設備
スケルトン物件の場合は壁や床の資材選びからできますね。厨房内の壁の材質はどんなものがよいでしょうか。厨房全体を考えると、耐水性や防火性に優れたものが良いですね。消臭や抗菌といったものもありますが、基本は日々の清掃です。コンロ周りはタイルやステンレスパネルを使うのも良いですね。床は油やほこりで汚染が激しい場所です。拭き掃除や洗浄に耐えるものが良いでしょう。このほか、厨房内の什器についても同様の事が言えます。細かいことまで言えば、ゴミ箱をペダル式にするなど、備品選びにも気を配りましょう。
居抜き物件の場合は、汚染の激しい部分に関して対応するのも良いでしょう。
整理・整頓
作業空間を確保し、作業効率を上げるために欠かせないのは、整理整頓です。置き場所を決める、使ったらすぐに片付けるなどは当たり前の事ですね。
食材の在庫管理
在庫の管理はお店の経営に関わってくることでもあります。クリンリネスの観点から言うと、不必要な物が多いと整理・整頓に時間がかかり、食品衛生面から賞味期限の管理も必要になります。人手や時間はお客様のサービスに充てることができるよう工夫しましょう。
クレンリネスの実践
誰しも、お客様においしい料理を食べて頂きたい、快適な空間で楽しんでほしい、くつろいで欲しいと考えるでしょう。クリンリネスが重要であることも分かるでしょう。分かるけれど、できないのが現状なのではありませんか?忙しい厨房でクリンリネスを行うためには、いつ・誰が・何を・どんな方法で実践するのか、ルール作りをするのをおすすめします。もし一人で営業しているなら、一人でできる事を決めて実践してみましょう。
まとめ
厨房クレンリネスは、衛生環境の保持と作業空間の確保という2つの側面を持ち合わせています。厨房は忙しく、汚れやすい場所です。忙しくても、汚れを貯めない工夫やルール作りは常にしていく必要があります。そして、厨房のクレンリネスがお店全体に影響することも意識しておいて頂きたいです。