片付け下手さんの厨房設計

厨房
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飲食店の厨房は、たくさんの物で溢れています。衛生的で作業のしやすい空間を維持するためには、片付けや整理整頓は欠かせません。片付けや整理整頓は基本的で大切な事です。しかし、それが得意な人もいれば、苦手な人もいるのです。今回は、片付けや整理整頓が苦手な人の厨房設計について考えてみました。

厨房内の整理整頓の目的

厨房内の整理整頓の目的は冒頭でも述べたように①衛生環境の保持②作業効率をよくするという2つに尽きます。

作業台の上に物が置きっぱなしでは、掃除がしにくいですね。常温食材の封が開いたまま放置すると、害虫の発生要因にもなります。料理を盛り付けるためにお皿を準備したいのに、お皿を置くスペースに別のものが置かれていたら作業がスムーズに行えません。厨房の衛生環境や作業効率は店のサービスに直結する重要な要素であることを念頭に置き、整理整頓をする必要があります。

片付けと整理整頓

片付けは、出したものを「元の場所」に戻す行動を言います。では、「元の場所」は決まっていますか?「元の場所」の状態はどうなっていますか?

片付かない理由の一つに、整理整頓ができていないということが挙げられます。整理整頓は、無駄な物を捨てて必要な物を使いやすく配置することを言います。整理整頓されていない厨房は、いくら片付けてもすぐに乱雑になってしまいます。片付かない理由は、実は整理整頓がされていないことが多いのです。

片付けが苦手な人の特徴

多くの片付け苦手さんに共通してみられる傾向として、「後回し」と「整理整頓下手」が挙げられます。その手ですぐに元の場所に戻せばいいのに、後でやるからと出しっぱなしにするから片付かないのです。そして、片付ける場所が、厨房外の場所だとしたら、当然後回しになってしまいますよね。整理整頓には、使いやすく配置するとい側面もあります。必要なものが必要な場所に配置されていなければ、当然片付けも後回しになりやすいという事です。

整理整頓しやすい環境作り

片付けが苦手な人は整理整頓も苦手な傾向にあります。厨房内は、調理に必要な食材や器具がたくさんあり、煩雑になりやすい場所です。日々整理整頓をしながら店舗運営をするというのは、難しい面もあります。お勧めするのは厨房の設計段階で厨房設備や収納棚の配置を決めてしまうのです。つまり整理整頓できる環境を先に作ってしまうという事です。その上で、作業動線に合わせた物の配置をすれば、「後回し」する事なく片付けができるのではないでしょうか。

整理整頓のポイント

厨房設計で大枠の収納棚の配置を決めたら、次は中に収納するものの選定と配置をしなければなりません。片付けのしやすい整理整頓のポイントをまとめました。

1収納が必要な物をリスト化する

「全体量」の把握は設計段階で終わらせておくことをおすすめします。調理器具や食材、備品に至るまですべての物を「リスト化」しましょう。「リスト化」する時は、カテゴリー別にすると、実際に収納する時にも便利です。カテゴリーは、調味料、調理器具、調理備品、清掃関係、サービス関係など自分が分かりやすいようにすると良いでしょう。

2定位置を決める

作業動線に合わせて定位置を決めましょう。おそらく、カテゴリー分類したものが、そのまま作業動線上に収納されるのではないでしょうか。コンロ周りには「調理器具」や「調味料」が収納されるでしょう。「調味料」というカテゴリーに関して言うと、小分けにしてコンロ周りに置く場合と、ストックとして収納する場合に分かれます。どちらもそれぞれの定位置を決める必要があります。

3数量を決める

可能であれば、少ない数量で収納するほうが整理整頓しやすいですね。しかし、物によってはストックを多く抱えておく方が良い場合もあると思います。どんなメニューが多く出るのか、その都度状況に合わせて数量をチェックしていきましょう。また、食材ストックに関しては、賞味期限順に手前から収納するなどの工夫をしましょう。

4ラベリングする

収納場所には、商品名と数量を記載したラベルを貼付しましょう。これにより、だれが見ても場所や数量が分かりやすくなります。

5定期的に見直しをする

片付けしやすいよう、整理整頓をして終わりではありません。リストの見直しをして、リスト外の物が増えていないか、ストック品が多すぎないかなど点検が必要です。また、厨房の動きや作業量と収納状態があっているかどうかも定期的に見直しをする必要があります。片付けができていない時は、もしかすると整理整頓に問題があるのかもしれません。

6お互いさま

片付けや整理整頓はひとりが頑張ったからできるものではありません。また、時と場合によっては「後回し」が発生することもあります。お互いに声をかけあっていきましょう。

まとめ

片付けが苦手な人でも、片付けしやすい環境を整える事でカバーできる事をご理解いただけましたか?環境を整えても、行動しないと片付けは苦手なままです。習慣化するまで意識的に片付けや整理整頓を行って下さい。その先にあるのは、お客様の満足感であることもお忘れなく。

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