お店全体の売上の8割はメニューの上位2割で構成されているとも言われています。そう考えると、メニューの人気を分析することの重要性をより感じていただけるでしょう。メニューの人気分析には、ABC分析が手軽でおすすめ!今回は、安定した経営に必須のABC分析を使ったメニューの見直しについて学びましょう。
安定した経営のためのメニューの見直しは必須!簡単に言えば、人気のないメニューは削除し新しいメニューの導入を繰り返していくのですが、その人気のアリナシを肌感覚でやるのは少々危険です。感覚ばかりに頼らず、数字の面から正しく分析し、安定した経営を目指しましょう。
ABC分析とは?
ABC分析とは、元は製造業などの在庫管理に使われている分析方法です。在庫管理に活用されていたこの分析方法を飲食店のメニューの人気不人気を測るためにも使用できるということで、多くのお店で取り入れられているのです。
分析するにはデータの取得から
分析をするには、基準となるデータが必要です。必要となるデータはメニューの
- 単価
- 販売数
- 売上高
の3点です。1ヶ月分のデータがあればひとまずはOKです。各メニューの単価 × 販売数によってそのメニューの売上高が算出されます。以下の画像は売上高を計算した段階のイメージ図です。その売上高を次は高い順に並べます。計算し、その結果によって並べ替えなどが発生するので、パソコンをお持ちならエクセルなどの表計算ソフトを使うと便利です。
メニューをランク分けする
メニューを売上高順に並べることができたら、次はそのメニューが月間の総売上に対してどれぐらいの割合を占めているのかをみてランク付けをしていきます。総売上に対する割合が
- 0〜70%までをAランク
- 70%〜90%までをBランク
- 90%〜100%までをCランク
と設定します。以下の表であれば上位5つがAランク、3つがBランク、2つがCランクとなっていることがわかります。
入れ替え候補は?
この中での、入れ替え候補はもちろんCランクの【FメニューとHメニュー】になります。このように計算すれば、冒頭に書いた肌感覚のメニューの評価ではなく、売上高ベースの数字に基づいたメニューの評価がわかります。この2つをメニューから削除し、新しいメニューを2つ加える。その結果をまた一定期間後に分析し、再度Cランクに該当したメニューを入れ替えの候補としてメニューの見直しをするという流れになります。
ABC分析が絶対ではない
売上高といった数字に基づいたデータ分析であるABC分析ですが、これが絶対正しい訳ではありません。あくまで売上高ベースの結果ということを忘れてはいけません。仮にCランクに位置づけられた商品でも、販売数が多い場合は検討の余地があります。単に単価が低いばかりに売上高では下位に位置づけられているが、販売数を見ると人気なのがわかるということもあるのです。
また利益額から見る考え方もあります。売上額や販売数が下位のメニューでも利益額が他のメニューに比べて高いケースもあるのです。利益額でお店に貢献しているメニューであれば残した方が良いでしょう。
さらに、メニュー表の端にあるから目立たない、料理写真が美味しそうではない、価格設定が高い・・・など様々な理由でCランクになってしまっているケースも多くあります。
このようなことから、単にCランクを入れ替えるのではなく、「そのメニューがなぜCランクなのか?」を様々な視点から検証することを忘れないでください。
ABC分析を使って繁盛店になろう!
ABC分析はいかがでしたか?数字が並ぶので一見すると難しそうに感じますが、要は売上順/販売数量順/利益額順などで並べて、シェアを見ているだけです。そして、人気のあるメニューは残して、人気のないメニューは入れ替えるだけです。
ABC分析で定期的にお店の売上や利益をチェックすることで繁盛店をめざしましょう。