店舗設計をする中で、客席と厨房の広さをどうするのか、決めなければなりません。お客様にゆったりくつろいでお食事を楽しんで頂きたいという視点もあるでしょう。動きやすい厨房設計をして、作業効率を上げ、お料理の提供スピードを上げてサービスの向上に繋げたいという視点もあります。お客様の満足感を得るという点では共通していますね。また、料理がメインのお店なのか、カフェのようにドリンクメニュー中心のお店なのかによっても、厨房の広さは変わってきます。
お店の業種や業態、どれくらいのお客様を見込んでいるのかなどを参考に、適正な厨房の広さを見つけていきましょう。
一般的な厨房の広さ
厨房の広さは飲食店の総面積に対する比率で表されることが多いです。
参考までに一般的な比率をご紹介します。
・洋食店レストン:25%~40%
・和料理店:25%~30%
・居酒屋:18%~25%
・ラーメン店:18%~30%
・焼き肉店:15%~30%
・カフェ/バー:20%前後
全体的に、厨房の広さは30%前後の業種が多そうです。
つまり、20坪の店舗面積の場合は、客席14坪厨房6坪くらいになります。1坪は畳2枚分くらいの広さのイメージです。6坪は12畳くらいの広さをイメージすると、分かりやすいです。
厨房の広さを決めるポイント3つ
1客席数(見込み客の人数)
見込み客の数はどれくらいを考えていますか。客席の数を多くすると、その分厨房が狭くなってしまう場合があります。厨房が狭いと、調理がスムーズに行えない、十分な動線を確保出来ず、作業効率が低下する、という危険性があります。そのことがお客様の満足度の低下につながるという事も十分考えられます。
2メニュー数
お店のメニュー数はどれくらいあるのでしょうか。ドリンク中心でフードメニューが少ないカフェの場合や、ある程度調理したものを利用して提供する場合は、厨房が多少狭くても問題は少ないかもしれません。しかし、レストランのようにメニュー数が多い場合は、それに対応した厨房設備やスタッフが必要になるため、適切な広さの確保は必要です。
3オペレーション
厨房内でスムーズに作業を進め、スピーディーにお料理を提供することが重要です。そのためには、場所や空間の確保は重要です。食材を調理する調理台やお皿を置く作業台はある程度広さが必要です。また、複数人のスタッフが厨房内で仕事をするなら、スタッフ同士がすれ違うことができるスペースも必要です。通常、人ひとりが普通に通れる幅は60㎝と言われています。すれ違う事を想定すると100cm程度あるのが理想的です。とはいえ、スペースには限りがあります。スタッフの人数、厨房内の動き、ホールオペレーションとの連携、メニュー数や客席数などを総合的に判断して、厨房の広さを考えましょう。
まとめ
今回は厨房の広さについてお話しました。厨房は飲食店の要といえる場所です。作業効率の良し悪しがお店のサービスやお客様の満足度に繋がるのは事実です。しかし、理想通りに行きませんよね。大切なのは、お客様に満足していただくことで。仮に、厨房スペースが十分に確保できなかった場合でも、お客様に満足していただくために何ができるのかを考え、工夫することが重要です 。