飲食店を開業する時、聞きなれない言葉がたくさん出てくると思います。グリストラップもそのひとつではないでしょうか?グリストラップは油をそのまま下水に流さないための装置です。ここではグリストラップの必要性やグリストラップの仕組みなどについて説明します。
グリストラップの必要性
グリストラップは厨房内ででた油を下水道に流さないための装置です。油水分離阻集器と呼ばれています。厨房内の流しからは、油を含んだ水がたくさん排水されます。それをそのまま流してしまうと、配水管内で油が固まり閉塞する危険性があります。また、この水は産業廃棄物として取り扱われます。グリストラップの設置は各自治体の水質基準によるため、設置義務があるわけではありません。しかし、大量に油を使用する飲食店では、水質基準をクリアできない事が多いため、グリストラップの設置は必要になるのです。排水もお店に責任があるという事です。
グリストラップの仕組み
厨房内からの排水には、油やゴミがたくさん含まれています。そのゴミを集めるためにバスケットが設置されています。ゴミが除去された油水は、層内で油分と沈殿物に分かれたのちに下水管を通じて浄化槽へ排水される仕組みになります。
グリストラップの設置場所
先の説明でグリストラップは厨房内の排水管と下水管の間に設置されます。厨房内の床下に設置されている場合もあれば、屋外に設置されている場合もあります。規模の小さめの飲食店では、厨房内の流しの下に置き型のグリストラップが設置されてる場合が多く見られます。物件購入の際には、グリストラップの有無や設置場所の確認が必要です。居抜き物件の場合は前店舗の業種や業態、トラップ内の清掃状態の確認も合わせて行いましょう。
グリストラップの清掃
グリストラップは設置したからそれでよい、というわけではありません。内部にたまったゴミや油を放置すると、悪臭の原因や害虫の発生に繋がります。更に放置し続けると、油が固まって排水管詰まりを起こしてしまいます。それらを防止するためにも日々の清掃は欠かせないのです。
清掃頻度
一般的な清掃頻度は、バスケット内のゴミは毎日、浮遊している油は週に一度、沈殿油は月に一度と言われています。こまめに掃除をしていると、グリストラップ自体の清掃は必要ないと言われています。清掃頻度に関しては、業種や業態により異なります。焼き肉店などの重飲食と言われる業種では、もう少し頻度を増やしたり、業者に依頼するなどの対応を考慮する必要がありそうですね。
清掃グッズ
グリストラップの清掃が大切という事は分かっていても、手間や面倒くささを感じてしまうのではありませんか?そんな時は、清掃グッズを利用するのもひとつの方法です。バスケットに設置するネットや浮いた油を吸着するシートが活躍しそうです。
まとめ
排水処理は店舗運営に関していうと、一番見えにくく、後回しにされやすい部分になるのでありませんか?しかし、後回しにすればするほど手間と時間がかかってしまいます。快適な店舗運営のためにも、こまめに掃除をする、汚れを貯めないという工夫は常に必要になります。