ハロー効果という言葉を聞いたことがありますか?今回の記事はお店の印象を左右する「ハロー効果」という心理現象についてです。
ハロー効果とは?
ハロー効果とは「Hello」ではなく、「Halo」と書きます。Haloとは後光や光輪を意味しており、インターネット上では
ハロー効果とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。
wikipediaより引用
とあります。つまり、ハロー効果とは、「突出した1つの特徴が全体の評価を左右する心理現象」を指す言葉と言えます。例えば
- スーツや髪型など身だしなみがきっちりしていると、「仕事ができそう」「真面目な人」と感じる。
- 声が大きい人に対して「自信がある」ように見える
- 笑顔が素敵な人は「いい人」に違いない
など、ある特定の目立つポイントによって関係のないポイントまで人は評価してしまうということです。「身だしなみが整っている」ことと「仕事ができる」ことには絶対的な関係がないにも関わらずそう感じてしまうのです。
ネガティブとポジティブ
ハロー効果にはポジティブ・ハローとネガティブ・ハローがあり、先ほどの例ように1つの目立つ特徴が、他の部分までを良い方向に印象付ける現象をポジティブ・ハローと言います。逆に
- シワのあるスーツを着ていると「仕事が出来ない」
- 声が小さい人は「自信がない」
- 無表情の人は「気難しい人」
といったように1つの印象が悪い印象に働くことをネガティブ・ハローと言います。
マーケティングからみるハロー効果
このようにハロー効果は、とても身近な心理現象の1つなのです。先ほどの例であげた対人的なものだけはなく、お店や商品に対してもハロー効果は存在します。
テレビのCMなどで、好感度の高い芸能人を使用して商品を紹介するのはハロー効果を狙った最も代表的な例と言えるでしょう。その芸能人の好感度と商品の価値については関係がないにも関わらず、多くの人は芸能人の評価に引っ張られて商品についての印象まで良く感じてしまうのです。なので、企業も芸能人も、世間の人たちからの印象というものに対して非常に敏感になるのです。
小さな飲食店のハロー効果
それでは、このような心理現象をどのようにお店の経営に活かすことができるでしょうか。どのような部分を目立たせることにより、お客様へ良い印象を与えることができるかを考えていきましょう。
スタッフの身だしなみ
スタッフの身だしなみが全員行き届いているとどうでしょう。それだけで誠実なお店だなという印象に繋がるのではないでしょうか。ユニフォームなどの汚れもなく、常に綺麗なものを身にまとっているだけでお店の全体的なイメージもクリーンな印象を与えることが出来ます。
元気があるスタッフ
スタッフの声が明るく大きいだけで、そのお店全体の雰囲気も明るくなります。全体的に活気のある印象をお客様へ与えることが出来、賑わっているお店、流行っているお店という印象に繋がります。元気の良い居酒屋さんをイメージするとわかりやすいかもしれません。
掃除が行き届いている
スタッフの身だしなみに通じる部分がありますが、店舗全体のクリンネスも非常に重要です。トイレやお客様から見えるキッチンの中など、整理整頓され綺麗に保たれているとそれだけでお店は好印象に繋がります。基本中の基本なので、逆にこの部分が疎かになっているとネガティブ・ハローが働いて、「調理も雑なのでは?」という印象を与えかねないので注意が必要です。
器にこだわる
とても細かいことですが、料理を提供する際の食器にこだわっているお店は、料理もこだわっている印象がありませんか。これも立派なハロー効果です。1つの突出した特徴により、他の部分の評価までを左右していますよね。
その他
上記の例のようにハロー効果は至るところから効果を発揮します。メニューブックの出来不出来が料理の評価に影響を与えることもありますし、有名グルメブロガーが紹介したお店はそれだけお店お印象を左右されかねません。芸能人が商品を紹介するCMと一緒の理屈ですね。
最後に大事なことは…
お店の印象を左右するハロー効果はいかがでしたでしょうか。ハロー効果は意図的にポジティブな印象を与えることが出来ますが、知らないうちにネガティブに働いてしまっている場合もあります。まずは、このような心理現象を知っていること、またそれがどういった時に働くのかを知ることが大切です。
ハロー効果は、第一印象を与える時に表れることがほとんどです。その後、来店されたお客様が、料理を食べた際に持つ印象やスタッフに対する印象は、実際に経験されることにより正しい評価へ変化していきます。
1つのお客様へのアプローチ方法として、ハロー効果はとても有効ですが結局のところ、継続的に安定したお店を経営していくには、料理のクオリティやスタッフのレベルが非常に大切なのは言うまでもありません。