「飲食店開業に向けての物件選び~スケルトン/居抜き物件編~」では、スケルトン物件と居抜き物件の特徴やメリット・デメリットについてお話ししました。居抜き物件は、内装や設備をそのまま引き継ぎます。開店して、すぐに不具合が出るという事がないよう、事前確認は入念に行いたいものです。そこで今回は、居抜き物件を選ぶ時の注意点についてお話します。
1複数回の内見が必要
前店舗の業態によっては壁や床の汚れが目立つ場合があります。厨房機器についても同様です。場合によっては改装や厨房機器の入れ替えが必要な場合もあります。見落としのないよう、内見は複数回行うことをお勧めします。そして、最低以下の3項目を中心に、開店後の作業動線をイメージしながら確認しておきましょう。
①天井/壁/床の塗装/クロスの汚れや剥がれ
②厨房設備の状態(使用年数/使用状況/修理歴の確認)
③水回りの確認(流水状態/排水管の水漏れや臭い)
2造作譲渡費用
居抜き物件には造作譲渡が設定されている場合があります。「造作譲渡費用」とはひとことで言うと、内装や設備を前店舗から買い取る費用のことです。造作譲渡が設定されている場合は以下の確認が必要になります。
- 売主の瑕疵担保責任(※)の確認
- 厨房機器の製造年・説明書や保証書の有無
- 厨房機材や内装などの修復履歴
- 危険負担(購入後、引き渡しまでにトラブルがあった場合の過失責任)の確認
- リース品の有無
※売主の瑕疵(かし)担保責任とは?
売買契約の締結当時に目的物(土地や建物)にすでに欠陥や傷がある場合、売主が買主に対して修復や損害金の支払いなどの責任を負うことをいいます。つまり、欠陥や傷のあるものについて、売主が修理費用を支払うということです。
造作譲渡費用は売主の請求により、高額になるケースがあります。事前の確認に合わて「相場」の確認をすることをお勧めします。
3リース内容の確認
特に大型の厨房機器はリース契約になっている場合があります。リース品がある場合は、リース会社との継続契約が必要です。
4原状回復
契約内容によっては、退去時に原状回復の義務があり、スケルトンに戻さなければならい
場合があります。物件購入時に確認しておく必要があります。
5転貸借契約
「転貸借契約」はサブリースともいわれ、いわゆる又貸しのことです。サブリースでは所有権や修繕・改修費の負担が必要になります。(飲食店開業に向けての物件選び~サブリース編~)
居抜き物件は現状の確認と合わせて、契約内容の確認が必要になります。上記注意点を参考にしながら、物件選びを進めてください。
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