この記事では物件の探し方から契約に至るまでの物件探しに関する全体像をまとめています。物件選びは、飲食店を開業するにあたって、繁盛するかどうかを分ける大きな要因の一つです。記事の内容をしっかりと把握し、ご自身のコンセプトに合った物件を見つけましょう。
1.コンセプトを明確にしておく
お店を探すにあたって、「どこにお店を出そう?」「どのくらいの広さが必要だろう?」「家賃はこのぐらいまで理想」など考えることは多岐に渡ります。しかし、その答えを導き出す根本の部分は全て同じなはずです。それは「あなたがお店を出す一番の理由は何か?」ということです。これはコンセプトとして、これから開業に関する決め事の全ての中心となる思いです。物件探し場合でも同じです。
あなたのターゲットとする人は誰でしょうか?その人たちにどのように過ごしてもらいたいのでしょうか?このことをきちんと自分の中でイメージして言葉にできるようにしておくこと。それがまず前提として大切です。
コンセプトはきちんとイメージできていますか?
それでは、まずはエリアの選定から考えましょう。
2.出店エリアの選び方。良い立地って?悪い立地とは?
2-1.エリアの選定
まずは、エリアの選定です。あなたが出店したいエリアはどこでしょう?エリアというと少し抽象的ですが、要は「〇〇駅周辺」や「〇〇区」といったある程度の広さを持たせたイメージで良いと思います。そこはあなたの土地勘がある場所でしょうか?それとも全くない場所でしょうか?ある場合だと人通りの量や、場所の持つ雰囲気、時間帯による違いなどが事前にわかっているので、話が早いでしょう。全く知らない場所の場合はその分上記のようなことを調べる必要があるので、注意が必要です。
2-2.立地条件
エリアが決まれば次は立地条件です。そのエリア内でも大通り沿いなのか少し路地を入ったところが良いのか。駅から数分の距離が良いのか少し歩く距離でも良いのか。1階が良いのか2階以上でも良いのか。色々立地の条件はあります。基本的には集客が見込める駅前の1階店舗など人が多く集まる場所は人気ですが、それだけ家賃も高い傾向にあります。一方で路地裏のビルの2階などは人目につきづらく、集客力も低いのでそれだけ家賃も低くなります。
2-3.良い立地と悪い立地
それでは、集客力のある駅前路面店は良い立地で、路地裏のビルの2階店舗は悪い立地なのでしょうか?集客という視点から見ると駅前路面店の方が圧倒的に良いでしょう。しかし、冒頭でも書きましたが、物件選びの中心の考えはあなたのコンセプトです。その物件があなたのコンセプトにとって良い立地なのか悪い立地なのかを判断する必要があります。こちらについては別記事にて詳細をかいておりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
3.物件の探し方
エリアが決まり、自分が理想とする物件の条件が決まればいよいよ物件探しです。物件を探す方法には
① インターネットで探す
② 不動産屋で探してもらう
③ 自分の足で探す
などの方法があります。一番手っ取り早く始めることができるのはインターネットを使った情報蒐集ですね。集めることができる情報が多いですが、その分、ライバルも多く情報の流れも早いので契約済の物件情報もあり実際に確認するまで安心できません。
物件探しの基本的な流れは①で見つけた情報を②で確認し、更に類似物件も紹介してもらうということが多いです。取り扱う物件は不動産屋によって多少変わりますので、複数の不動産屋と付き合う方がより理想の物件に出会える確率は高くなります。
こちらについても以下の記事にそれぞれの探し方のポイントやコツを記載しております。
4.物件の種類
次は物件の種類です。ここでは物件探しの時によく出会う代表的な2つについて解説します。
4-1.スケルトン
コンクリートが剥き出しで、内装や設備がなにもない状態の物件のことを指します。設備等が何もない分、自分が思い描く通りの店舗を造ることができます。その反面、工事にかける時間や費用は居抜き物件よりもかかることが多いです。
4-2.居抜き物件
前店舗で使っていた内装や設備をそのままの状態で引き継いだ物件のことを指します。内装や設備が残っているものを再利用できるのであれば、開業費用は大きく抑えることができるでしょう。しかし、「好みに合わない」や「損傷が激しい」などの場合は撤去をするところから始める必要があるので、余計な出費に繋がる場合があります。
4-3.内見について
スケルトンにしろ居抜きにしろ物件を確認する「内見」は十分に行いましょう。先程、記述した不要なものがついてきてしまうことや、スケルトンだと広く感じやすく実際に機器を搬入したら想定より狭くなってしまったなんてことにもなりかねません。メジャーで寸法を測ったり、写真などで記録を残すようにしましょう。
5.周辺状況の調査
お店の内見をチェックすると同時期には、その物件の周辺情報も精査する必要があります。内見した時は昼間で人通りが多く、この場所で勝負できると感じたとしても、実は夜になると人通りが全くなくなるなんてこと起こり得ます。あなたがこの場所でお店をオープンしてから知るのでは遅いのです。お店を契約する前にできる限りの情報は収集しましょう。
5-1.競合店調査
まずは、競合店調査です。あなたがオープンしたい店と同じような店はありませんか?似たようなメニューを出す店はありませんか?価格帯が似たお店はありませんか?などなど、一言に競合店といえど、どこを対象とするかでどのお店が競合となるかは変わってきます。どの場合であれ、実際にその店で食事することをオススメします。この場所で勝負するのであれば、情報収集は必須です。
競合店に関しては違う考え方として、「共存」という考え方もあります。ラーメン激戦区などがそうですね。競合店同士が集まることにより、そのエリアに集客力を持たせるという考え方です。共存とはいえ、他店と競う合うことには変わらないので、絶えず努力することはもちろん必要です。
5-2.時間帯調査
時間帯による変化を調査します。昼間の人通りはどうでしょう?夜の人の動きはありますか?平日の方が人が多いでしょうか?休みの日はどうでしょう?など、曜日や時間による人の動きを調査します。これにより、ランチが強いのか、ディナーに見込みがあるのか、カフェ需要について知ることができます。
5-3.環境調査
その場所はビジネス街なのか住宅街なのかによって、人の動きは大きく変わります。また住宅街でもファミリーが多いのでしょうか?それとも単身の人が多いでしょうか?それによってもお店を運営していく戦略は大きく変わってきますよね。あなたのターゲットとしている人はそこにいてるのでしょうか?
6.いざ契約へ
調査を行なった上で問題なさそうであれば、いよいよ契約です。物件の契約に関しても色々条件などがついている場合がありますので、よく内容を確認する必要があります。
契約に関しては別記事にてまとめますので、もう少しお待ち下さいませ。(現在執筆中)
7.最後に
契約に至るまでに、多くのステップがあります。やっと契約できたーと喜びたいところですが、本当に忙しくなるのはここからです。実際に家賃が発生し、工事が始まります。大変ですが、本当に面白くなるのもここからです。夢見た世界がすぐそこまで来ていて、それが実際に形になりつつあります。
内外装のデザインやお店作りに関するノウハウは次の記事でまとめています。bizeatsはあなたの飲食店オーナーライフを全力で応援しています。楽しみながらしっかりと一緒に前に進んでいきましょう。